話題のFFS理論が3分でわかる『あなたの知らないあなたの強み』レビュー

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FFS理論とは

FFS理論とは、組織心理学者の小林恵智博士が考案し、米国海兵隊で実用化された性格分析の理論です。

日本でも、25年にわたってたくさんの大企業に導入されてきた実績があります。

 

FFS理論を導入している大企業
  • SONY
  • 本田技術研究所
  • リクルートグループ
  • LINE

 

性格を構成する5つの要素

FFS理論では、性格を構成する要素を大きく5つに分類します

 

  • 凝縮性……こだわりが強くて自分の中に明確な価値観がある
  • 受容性……他者を肯定的に受け入れる
  • 弁別性……合理的で、データを重視する
  • 拡散性……好きなことに向かって突き進む
  • 保全性……現状維持を好み、先が見えないことを嫌う

 

FFS診断は、5つの要素のどれか1つに分類されるというものではなく、誰でも5つ全ての性格要素を持っています。ただ、その中でも特に強い要素が表に出てくる性格になると考えます。

 

感想

この本のユニークなところは、宇宙兄弟という漫画の登場人物25人の性格を実際に診断していて、随所で漫画のシーンを例にとって解説しているところです。

本の中でタイプごとの陥りやすい悩みとその乗り越え方や、異なるタイプの人と上手な人間関係を築く方法が解説されているのですが、人間味あふれるキャラたちのおかげで、人間を機械的に分類するような冷たさは全く感じませんでした。素直にアドバイスを受け入れることができるようになっています。

これから就活を始める大学生や、職場の人間関係を良くしたい人にも、自分を客観的に知りたい人には是非オススメしたい一冊です。

 

 

 

 

 

 

今、日本人にこそ必要な本?『FACTFULNESS』レビュー

どっちの線の方が長い?

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 ––––答えは両方同じ長さです。

 本の導入部分に出てくるこのクイズを見たとき、私は答えを知っていました。

 でも、もし知らなければ絶対に上の方が長いと答えていたと思います。答えを知っていてもそうとしか見えません。

 目の錯覚は一時期ブームになったこともあって、人間の眼が勘違いを起こしやすい器官だと言われても今さら驚く人はいないでしょう。

 でも実は、錯視は眼ではなく脳が原因で起こっています。人間の大きな脳は、何百万年にもわたって厳しい自然を生き抜いた中での進化の賜物です。眼に映るものを正しく認識できるようにではなく、生存のために最適な判断ができるようにつくられています。

 しかしその本能が、現代社会ではときに間違いを犯す原因にもなります。

 

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『FACT FULNESS』とは?  

 錯視を引き起こすのと同じ脳の本能が、経済や国際社会の流れなどのより高次元の現実を認識するときも、同じようにエラーを起こしてしまうのではないか。

 経験から著者はそう考えるようになります。そして、それを解決するためにこの本を書きました。

 本の中で著者は、人が間違った現実認識をする原因になる脳の10個の本能についてそれぞれ解説しています。

 錯視について知っていれば正しい答えが目に見える像と違っていることがわかるように、10個の本能に気をつけていれば、誤った現実認識を避けて正しく世界を見られるようになるというわけです。

 

 日本人にこそ必要な本?そう思う自分にこそ必要な本だった 

 「この本の指摘は日本人にも当てはまる。むしろ、日本人にこそ必要な本だ!」––––海外の著者の本を読んだときにほとんど毎回浮かぶ感想です。

 でも今回は、この感想が間違った世界の見方に基づいていることにすぐに気づきました。

 私がこのような感想を持つ背景には、言語化すると次のような意識がありました。––––「自分はこんな本を読むほど勉強熱心なのに、日本には事実を正しく認識できない人たちがたくさんいて、そのせいで社会は問題だらけだ。そうゆう人たちこそこの本を読むべきなのに。」

 実際に知っている人の顔を一人一人思い浮かべていくと、そんな風に思われるべき愚かな人は1人もいませんでした。本の内容を自分ごとに捉えて、自分の意識を変えるのが面倒だから、架空の日本人に責任転嫁していたんです。

 『FACTFULNESS』は、それまで気づけなかった自分の思考の背景にあるものに目を向けさせてくれるツールです。手元に置いて定期的に読み返したい本です。